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斉藤円華の「週末自動車ライター事始め」・第3回
 
いすゞ車、元気です! 〜第三京浜都筑SA・いすゞ車オーナーオフ会を訪ねて〜
 
 
−いすゞの乗用車って?−
 
 最近、いすゞの乗用車をめっきり見なくなった。117クーペに乗る私でさえそう思うのだから、ほかの方ならなおさらだろう。いやそもそもいすゞの乗用車ってどんななのか、知らない人も多いのではないだろうか。
 いすゞは今でこそトラック専業メーカーだが、1993年までは乗用車も造っていた。今回の取材で登場するピアッツァ、ジェミニ、アスカなどはいずれも1980年代のいすゞの主力車種だった。またそれ以前にも117クーペやベレットなど、戦後日本自動車史に残る名車を世に送り続けてきた。由緒ある自動車メーカーなのである。
 そんないすゞ車オーナーの方たちが、毎月最終日曜に第三京浜都筑サービスエリアに集まって交流を続けているというので取材した。
 
 
−足掛け7年 長続きの秘訣−
 
 2005年最後の日曜日(12月25日)、朝10時頃からいすゞの乗用車がサービスエリア駐車場に集まって来る。元々がピアッツァ・オーナーを中心に始まったミーティングなのでピアッツァの台数が一番多く、6〜7台はある。ほかにはFFジェミニ、初代アスカ、117クーペなど。
 実は私も時々、4年位前からこのミーティングに参加している。当時私はピアッツァ・イルムシャーに乗っていた。ピアッツァ、いやいすゞ車が定期的に集まるオフ会なんてここ以外なかったのだ。
 オフ会を主宰する多賀さんに話を聞いてみた。多賀さんは88年式のピアッツァネロ・ハンドリング・バイ・ロータスに乗っている。
 「99年に横浜在住のピアッツァのオーナー同士、近くにお住まいでしたら一度集まりましょうかということで都筑に集まったのがきっかけです」
 それから足掛け7年。地元からだけでなく、噂を聞きつけて遥々遠方から駆けつける人もいる。今や関東近郊のいすゞ車オーナーの間ではすっかり認知された感がある都筑オフだが、今日までイベントを続けて来られた秘訣はあるのだろうか。
 「日時と場所だけ決めて、あとは行っても行かなくてもいい、と決め事は最小限にしたんです。行けば誰かしら仲間がいる。そういうユルさが長続きの秘訣と言えば秘訣でしょうか」
 このオフ会は参加車両もいすゞ車としか限定していない。いや、時にはマセラティやケータハムなども参加しているから、実際には限定はないに等しい。この間口の広さも長続きの要素だろう。
 「それにここには、いすゞの開発者の方も来られますし、いすゞ車に詳しい常連の方もいます。そうした方達の力も大きいですね」
 ここでなら維持やメンテナンスについてオーナー同士情報交換なども出来る、そうした実利的なメリットもあるみたいだ。
 
 
−今見ても斬新−−
 
 参加者の方たちに話を聞いてみた。
 津田さんはピアッツァ・ネロ ハンドリング・バイ・ロータスに乗る。今見てもカッコいい、斬新なデザインだ。「2年落ちのを92年に購入してから乗り続けています。その前は86年からJR130(ツインカムエンジンを搭載した発売当初のピアッツァ。後のターボエンジン搭載車はJR120)に乗っていました」 来年でピアッツァ歴20年!
 車内を見せてもらう。メーターの両脇に集まるスイッチ類が特徴的だ。「エクステリアデザインもそうですが、このサテライトスイッチもエンスーの琴線に触れました」
 本革シートの座り心地は良い。そう言えばこのシートは腰痛に悩む開発者が手がけた、なんて話を聞いたことがある。
 「家族でキャンプにも行くんです。実用的なのも好きです」
 
 田村さんの愛車は89年式のジェミニ ハンドリング・バイ・ロータスSE。
 「新車から13万キロ乗っています。ECU、デスビを交換した以外は、調子いいですね」
 この個体はとにかくコンディションがいい。塗装はピカピカだし、アルカンタラ(当時はエクセーヌと呼んでいた)をふんだんに使った内装も素晴らしい。「内装が気に入って購入しました。月一回ワックス掛けし、たまに粘土も使ってます」
ルーフにはオイル交換時期を記録できるカウンターが。 インパネ。ピアッツァの流れを汲むスイッチ配置。ハンドルはモモ製だ。
アルカンタラ仕様のレカロシート。

お約束の「スーパーカー開き」。
 田村さんは他にもペルシャンローズのジェミニ・ハッチバックも所有する。「最初はいすゞファンという訳ではなかったのですが、長く乗っていると他のクルマに乗りたくなくなってしまいました」  
ピアッツァのリアビューは年式と仕様で異なる。どれがどれだか判りますか?
 
新旧のいすゞ車がずらりと並ぶ。エルフもデザインでは負けていない?
 プレーンなスタイリングがすがすがしい、ツインカムエンジン搭載のピアッツァXEに乗る杉山さんは、おもむろにスタッドレスタイヤの装着を始めた。「これでスキーにも行くんですよ。リアサスがリジッドなので、雪道はS13シルビアよりも安定してます」 なるほど。しかし同じいすゞ乗りとして、雪道を走ることで錆は大丈夫なのかと思わず心配してしまう。するとご本人曰く「よせばいいのにねえ(笑)」
 滅多に見ることのないアスカ・イルムシャーが参加していた。オーナーの渡辺さんに話を聞く。「エンスーの杜でシトロエンのCX、2CVの出物はチェックしてますよ!」と、うれしいお言葉。
 「セダンに乗りたくて、当初はCXの英国仕様ターボも探していたのですが、これにしました。じつはこの前にもアスカに乗っていたのですが、スタイルがいいですね」 エンジンルームを見せてもらった。2リッター、シングルカムのターボエンジンは基本的なところはピアッツァと共通だ。というよりアスカのエンジンを後から縦置きにしたのがピアッツァなのである。
 
 78年式117クーペXTに乗るのは石原さん。このオフ会で唯一、第1回から一度も欠かさずに参加している。「他にピアッツァも持ってますが、こっちは5年目です。2オーナー、4万4千キロですがまだ7千キロしか乗ってません。随分お金がかかりましたが、キャブ調整が途中ということ以外今は比較的調子良いです」
自動車史に残る、ジウジアーロによる美しいデザイン。


エンジンルーム。SOHC、シングルキャブ。「混合気が若干濃いみたい」。
 
 常連の間で「博士」と呼ばれるのは伊東さん。ピアッツァを部品取り車も含めて5台(!)所有している。先述の多賀さんが話していた「いすゞ車に詳しい常連の方」とはこの方だ。
 「ピアッツァの良い所はパッケージングですね。無駄なスペースがない。外形がコンパクトで、それでいて中が広いのが特徴です」
 −いすゞ車に詳しくなった経緯をお聞かせください。
「ピアッツァについて、例えば部品変更の時期とか調べていると自分だけじゃどうしても分からない点が出てきて、それをオフ会にいらしたいすゞの開発者の方にお聞きしたりするうちに詳しくなりました。博士って言うのは、周りが後からそう呼ぶようになっただけです(笑)」
 当日は89年式のピアッツァネロ ハンドリング・バイ・ロータスでの参加。走行距離は29万キロに達する。一度エンジンも載せ換えた。
 
 こんかい私も1年ぶりにお邪魔したが、世間でのタマ数は少なくなったけれども、いすゞ車オーナーの方々はどの方もマイペースでいすゞ車ライフを楽しみ、またそこにはクルマへの愛情が感じられた。部品価格が上昇し、直せる工場が減ってきたという話も聞くが、苦労も含めて楽しいのがエンスー車だ。個性的ないすゞ車のキャラクターに魅せられる人は、これからも後をたたないだろう。
  参加者で記念撮影!
 
・ 主催者Webサイト「NEROの寝床」 http://www20.cds.ne.jp/~nero/piazza/
 

[執筆者プロフィール]
斉藤 円華(さいとう・まどか)…週末自動車ライター。年末年始は大掃除と117クーペの錆取りで大忙し。最近mixi(ミクシィ)も始めました。
※ブログ “mdk-on-line” http://mdk-on-line.jugem.jp/

【次回予告】
自身も117クーペに乗る筆者。多忙でクルマを放っといているうちに、車体のそこかしこに錆が…。
鈑金の見積り額30万円に、自分で鈑金することを決意する。その経緯やいかに…?
次回「年末年始錆取り大作戦! 粉塵まみれの夜空に除夜の鐘が鳴り響く」をお楽しみに!