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斉藤円華の「週末自動車ライター事始め」・第1回
 
いいじゃないか!ロードスター 〜マツダ・ロードスターRS(NC型)〜
(取材協力:関東マツダ 練馬豊島園店)
 
 
平日はサラリーマン、週末は駆け出し自動車ライターである私・斉藤円華(さいとうまどか、と読みます。よく女性と間違われますが男です。あしからず)が、ここ「エンスーの杜」HPで繰り広げてまいります自動車コラムの今回は記念すべき第1回。皆様、よろしくお付き合いのほどを…。
 
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−試乗は初めて!−
 
エンスーの杜代表・金森哲二さんから頂いたお題は「ジドウシャ雑誌に載らない様な本音の試乗レポートを書いてください。あ、あと、車イベントの報告なんかもお願いします」。本音かあ。要はクルマに乗って思ったことをそのまんま書けば良いワケね。簡単じゃん。…でも、試乗ってどうやってするんだ?

私はこれまで、いわゆる「ディーラー試乗」をしたことが無い。私の愛車は79年式のいすゞ117クーペ、ディーラーで買おうとしても売ってないコテコテのエンスー車だ。ましてや、自動車ライターとしてメーカーから車を借り出した事なんてあるはずもない。無名のライターに試乗車を貸してくれる心のひろーいメーカー担当者の方、連絡待ってます。
 
 
−大きくなった−
 
前置きが長くなったが、ロードスターである。「人馬一体」の乗り味を標榜し、今や日本を、いや世界を代表するといっても過言ではない−じじつ、2人乗りオープンカーの最多生産車種としてギネスブックにも載っている−オープンエア2シーターとは一体どんな物なのか。近所のディーラーで試乗してみた。

初代、二代目も含めてロードスターに乗るのは初めてだ。今度のは3ナンバーという事だが、やはり初代と比較すると大きくなった。17インチの大径ホイールに205/45Rのタイヤを履き、ホイールアーチの外側に大きくブリスターフェンダーが張り出しているのが外見の大きな特徴だ。全体のスタイリングはマッシヴだが流麗で、ボンネット中央にふくらみを持たせたり丸型テールレンズを採用するなど初代からの文法を引用してはいるが、やはりこれまでとは全く別の新しいクルマ、という印象を強く受ける。現行型の後で初代を見たら、ああ、もうユーノス・ロードスターは一昔前のクルマになってしまったんだなあ、と感慨に浸ってしまった。そう思える位新しい方向性を打ち出そうとしているのが伝わってくるのである。そして、それは成功していると言えるだろう。カッコイイのである。

また何と言っても、リアビューがグラマラスだ。思わず女性の、どきりとする形の良いお尻を連想してしまう。クルマなのだが。
 
 
−オープンは、気持ちいい−
 
ドアを開ける。プッシュボタンとノブの動作は重い方が好きだが(117がそうなので)、これはやや軽い印象だ。シートの座面が低いので、慣れないと腰を落っことすようにして座ることになる。ドアはバンッと剛性のある感じで閉まる。速度計と7千5百回転まで刻まれたレヴ・カウンターはアルミで縁取られ、その指針は今時のスポーツカーらしく真下を向いている。キィをひねり、ライトを点けると文字盤の目盛りはオレンジに浮かび上がる。内装は材質こそそれなりと見受けたが、モダン・リビングを意識した(?)大人しいデザインだ。

早速路上に出てみる。1.6,1.8ときて遂に2リッターを獲得したエンジンは、軽快にというよりはモリモリと吹け上がり、厚いトルクで背中を押す感じだ。同乗したディーラーの営業マン氏によれば、「乗りやすさや環境性能を総合して判断したら2リッターが最適解となった」のだそう。逆に言って、この車格で1.6はきついと思う。エンジン音そのものは静かだが、後ろから聞こえてくる程よい音量のエクゾースト・ノートが心地よい。

ラック・アンド・ピニオンのステアリングはしっとりと重く、曲がった分だけきちっと曲がる。6速シフトのストロークは短く、ぐりっ、ぐりっ、と決まる。RSに標準装備のビルシュタイン・ダンパーのおかげで足回りはしっかりと締まっている。幌を下ろして走っているが、風の巻き込みは頭のてっぺんがざわざわする位でほとんどない。試乗時は夜で外は冷えていたのだが、運転席は足元から温風が効いており全く寒くない。気合を入れて走ったなら、これなら真冬でも汗をかくだろう。せわしい都内の道を少し走っただけで、峠道でロードスターを走らせるときの事を想像して楽しくなる。

不意に上を見上げると、都会の明かりで薄暗い東京の夜空に星が見えた。オープンカーに乗っている! これで渋滞や路上駐車、帰宅を急ぐ歩行者や自転車を気にせず運転できたらどんなにかいいだろうと思う。 前出の営業マン氏によれば、レンタカーにラインアップされるのは大抵リリースされてから5ヶ月位が経過してからというから、今度の冬以降であれば借りられそうだ。2台クルマが持てない私としては、それが何とも待ち遠しい。

20分足らずの試乗だったが、買ってもいいと思った。お金があればだが。天気のいい平日に有給休暇を取って、レンタルしたロードスターで峠や海岸をドライブ出来たらきっとゴキゲンに違いない。オススメです。

オープンカーということでどんな車かと期待に胸をふくらませての今回の試乗だったが、しかし総合して乗り味はいたって自然だ。それはネガティブな意味ではなくて、屋根付きの車から違和感なく乗り換えられるということである。オープンカーは屋根がないというただそれだけでもう既に楽しいが、剛性感や造りの良さ、デザインなどを総合してみてやはりよく出来た車だ。それはもう優等生過ぎる位に。だがいずれにしても、こういう楽しいクルマに250万円というプライスタグが下がるのは、私達にとって幸せなことではないか。私自身はビンボー人だけれども。

最後に一言。エンスーとして、リトラクタブルライトは是非とも復活してほしかったと言いたい。米国安全基準にひっかかるのだそうだが、ああいった不必要なギミックはクルマの楽しさを演出するのに欠かせない。次のマイナーチェンジの時にオプション仕様で設定するというのはどうですか。
 
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  * マツダ・ロードスター 主要諸元(RS)
全長×全幅×全高
 3995×1720×1245(mm)
重 量
 1100(kg)
エンジン形式
 LF-VE
排気量
 1998(cc)
種 類
 直列4気筒DOHC16バルブ
駆動形式
 FR
変速機
 6速MT
タイヤサイズ
 205/45R17
価格(消費税込み)  250万円
 

[執筆者プロフィール]
斉藤 円華(さいとう・まどか)…1973年埼玉生まれ。獨協大学中退。現在は会社員の傍らライターとして執筆活動を行う。車歴はいすゞ初代ピアッツァ、次いで117クーペという典型的ないすゞ車エンスー。近日中にブログ公開予定。